机の上からノートパソコンや本やUSBメモリを片付けて、新聞紙を2枚広げて、グリーンの工作用マットを敷く。厚紙で作った波板を置いて、引き出しからアクリル塗料や筆、皿、水入れなど出してくると、コロコロとドングリが転がってくる。

 

 ・・・っで、下の画像の状態になる。 

 


オカヤマのフィールドノート-ドングリトトロ09-01

 

 30年前に岡山へ来たときに買ったラジカセに火を入れて、ホコリの焼ける香ばしい臭いが漂い、テープから懐かしい曲が流れると、部屋はジブリの森のほこらと化す。

 

 机の上のドングリの表面はBのように、白く粉を噴いている。それを手に取ると、ドングリはのように自ら輝きだす。こうなると、色の食いつきがよく、途中で剥がれ落ちることがない。

 


オカヤマのフィールドノート-ドングリトトロ09-02

 

 今年は、100個もいらないようなので、3晩もあれば大丈夫。

 

 90個ほどをサラサラと、淀みなく筆を滑らせ、色を乗せていく。 

 気温も高く、乾きが早い。さらに、作業ははかどる。

 


オカヤマのフィールドノート-ドングリトトロ09-03

 

 本当に3晩で完成した。


 ・・・といっても、当日(27日)の朝、5時だった。

 

 恒例の記念撮影をして、そそくさと職場へ急いだ。

 


オカヤマのフィールドノート-ドングリトトロ09-04

 

 この画像を撮るときが、達成感のピークだ。

 撮影のあと、子どもたちが喜んでくれるかどうか、不安がつきまとう。

 

 とにかく、朝一番の講義の準備にかからないと間に合わない。


 このような状況の中にいるその瞬間、活き活きしている自分を感じる。

これは、ギリギリを集中力で切り抜ける快感だろうと思う。きっと、エンドルフィンがドバドバと血中へ分泌されているのだろうと、勝手なイメージ図を頭に描きながら、原子の電離や放射線の相互作用の説明を考えている自分に、徹夜明けのナチュラル・ハイなボクは酔っていた。