なぜか遅れていたキンモクセイが、香り始めた。


 毎年、10月に入ると、キャンパスを包み込み、後期が始まったことを香りで教えられていた。

ここ30年くらいの秋の香水だ。


 しかし、変動している気候を知らせているか、10月を一週間過ぎても、そよとも香ることはなかった。


 この連休の暑いくらいの天気で、やっとこさ、白い小さなつぼみも、火曜日には黄色く大きくなった。

 

 今日、水曜日の朝、もう開きそうなくらいまで大きくなったつぼみからは、先に香りが漂っていた。


 職場のまわりは、2週間ほど遅いが、秋が来た。


 香りの秋だ。


 このあと、がやってくる。